2025年にチェックすべき最新情報④

こんにちは!

あすてるコラムでは、2025年にチェックすべき重要事項について皆様に発信させていただいております。今回は4回目ということで、「改正雇用保険法 介護事業所はどう向き合うか」「人材紹介会社等への規制強化」「介護保険施行令改定に関する政令公布」をテーマについて解説いたします。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ!

改正雇用保険法 介護事業所はどう向き合うか

2024年に雇用保険法が改正されましたが、その中に自己都合退職した人に給付される失業保険に関する内容が含まれておりました。

これは全業種に関連する話ですが、特に介護事業においては見過ごせない話でしょう。

令和7年4月1日より、失業給付の給付制限期間が2か月から「1か月」に短縮されます。

これまで、自己都合で退職した人が失業給付を受けるには、原則2か月間待たなければなりませんでした。それが今般の改定で1か月に短縮され、かつ「教育訓練(リ・スキリング)」を主体的に受けた場合は、この給付制限自体を適用しないことになるようです。

この改定により、労働者は比較的自己都合退職がしやすくなるということになります。

介護事業所を運営する経営者は、このことをどう受け止めますでしょうか。

介護職員数が2024年に初の減少に転じた中、いかにして事業所が職員の離職を食い止めていくかを考える上で、この改正は一つのきっかけになるような気がするのです。

自己都合退職の場合、失業給付を受けられるのに一定の時間を要したわけですが、給付制限が短縮される(あるいはなくなる)のであれば、人によっては退職を躊躇しなくなるかもしれません。

自己都合退職がしやすくなったことで離職が加速することがないよう、介護事業所も気を引き締めていくことが必要です。そして事業所は、こういう情報を常にキャッチアップしていくことも重要ではないでしょうか?

出典

厚生労働省「雇用保険の一部を改正する法律の概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001255172.pdf

人材紹介会社への規制強化~いわゆる「就職お祝い金」の禁止 

近年「人材紹介会社」に関する問題が深刻化しております。

人材紹介会社を活用した場合、高額な紹介料を求められることになるのですが、近年その額が高騰しており、介護事業者の収益を圧迫しています。今なお悪徳エージェントは存在しており、国も重く受け止め規制をかけているところです。

求職者に対して支払われる、いわゆる「就職お祝い金」の提供について、一部の例外を除き禁止されることになりました。これまで人材紹介会社に対してはすでに適用されていましたが、2025年4月からは「求人サイト運営会社」に対しても禁止・適用されることになります。

介護事業所も自力での採用が厳しい中、やむなくエージェント等を活用されていることと思います。

しかし介護報酬・診療報酬は、このような高額な紹介手数料の支払いを想定した報酬設計にはなっておりません。

紹介会社等によっては、登録求職者に「就職お祝い金」をエサにして短期の退職を促し、手数料を荒稼ぎするようなとんでもない会社もいまだに存在するようです。

就職お祝い金が禁止となれば、求職者を誘導して手数料を稼ぐという悪質行為が少し防げるかもしれません。

国はひとまず、人材会社に対して規制を一つ設けましたが、介護事業所や医療機関の採用コストがこれ以上圧迫されないよう、何とかしていただきたいものです。

出典

・厚生労働省 都道府県労働局

職業紹介事業所あてパンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/001328410.pdf
募集情報等提供事業者あてパンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/001328411.pdf

介護保険法施行令の一部を改正する政令公布

介護保険法施行令の一部を改正する政令が1月22日に交付されました。

介護保険最新情報Vol.1347にて公開されております。

この通知は、2024年に支給される老齢基礎年金(満額)が80万円を超えることを踏まえ、 満額受給者の保険料負担に影響が出ないよう、介護の第1号保険料についての規定を改める、という内容になっております。

介護保険の第1号被保険者(65歳以上の被保険者)の保険料は、政令で定める基準 に従い条例で定めるところにより算定された保険料率により算定された保険料額によ って課することとされております。

簡単にいえば、所得が上がれば保険証も上がるという仕組みです。

しかし今般、老齢基礎年金が満額支給となった際の金額が増額されたことに伴い、これを基本にして保険料が算定されてしまうと、利用者の負担が結局増えてしまうことになり、意味をなさなくなります。

国はこのことを踏まえ、満額受給者の収入が増えたことにより保険料に影響しないよう配慮せよ、ということをルール化したものとなります。

サービス事業の運営には直接関係ない話かもしれませんが、制度の考え方としては重要な内容となりますので、ご紹介しました。

出典

厚生労働省老健局 介護保険最新情報Vol.1347
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2025/0123083017994/ksvol.1347.pdf

まとめ

今回は、「改正雇用保険法改正」「就職お祝い金禁止」「介護保険施行令の一部を改正する政令公布」ついて取り上げました。

前者2つについては大変センシティブな内容になっておりますが、介護事業を運営する上で避けては通れない話かと思います。

是非見つめ直し、今後の事業運営に活用いただけると嬉しく思います。

あすてるコラムでは、そのような重要な情報について定期的に発信し、介護サービス事業者様の運営に少しでもお役立てできればと考えております。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

どうぞ次の投稿をご期待いただけますと幸いです。