2025年にチェックすべき最新情報③

こんにちは!

今回も、2025年にチェックすべき重要事項について皆様に発信させていただきます。今回はその3回目ということで、「高額療養費の見直し」「後期高齢者2割負担に対する『配慮措置』終了迫る」をテーマについて解説いたします。

訪問看護ステーションに限らず、介護事業を行うすべての法人様必見の内容となっております。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ!

額療養費の見直し~利用者様への負担増が心配 

「高額療養費」という言葉は、皆さんも耳にされたことがあると思います。

高額療養費は「医療費が高額になった患者の自己負担を一定額に抑える」制度のことです。医療費が高額にならないように上限額が設定される仕組みであり、国民にとっては医療のセーフティネットと呼ばれています。

財務省はこの「高額療養費」に対して、ついにメスを入れることになりました。

令和7年1月23日に開催された社会保障審議会医療保険部会にて、高額療養費の見直しについて審議されました。その中で、高額療養費自己負担限度額の見直しに関する内容が盛り込まれたのです。

出典

第186回社会保障審議会医療保険部会 「高額療養費の見直しについて」
www.mhlw.go.jp/content/12401000/001393881.pdf

これまで所得区分が「一般」の方については月額上限が18000円でしたが、見直し後は月20000円に引き上げられます(ただし年間上限16万円に据え置き)。

また、住民税非課税の方についても、一定以下の所得に方については月額8000円が上限で変わりませんが、非課税であっても一定以上の所得があれば「月額13000円」に見直されます。

厚生労働省はこの措置により、国民1人当たりの保険料負担が月1,300円から5,300円程度軽減されると試算しております。

見直しは2025年8月からとなっていますが、引き上げは段階的に行われるようです。

特に現役世代の社会保障費の負担増については、かねてから問題視されていました。ですので大枠ではこの措置もやむを得ないと思われますが、特に高齢世代の医療費負担はこれによって増えるわけで、非常に複雑な思いがいたします。

詳細は、前述に掲げた「厚生労働省公開資料」をご確認いただければ幸いです。

利用者様の自己負担が増加することへの影響は、相応にあると思われます。

利用料の貸し倒れリスクも無きにしも非ずです。また、この措置によりまたまた請求ソフトの改修がなされるわけで、医療機関や訪問看護ステーションなどでは混乱も予想されます。

今のうちに、頭の片隅に置いておく必要があります。

後期高齢者2割負担における「配慮措置」終了迫る!

令和4年10月1日から、現役並み所得者を除き、75歳以上の方等で一定以上の所得がある方は、医療費の窓口負担割合が1割から2割に変わりました。

しかし国では、2割負担に移行したことに伴う負担増を考慮し、窓口負担割合が2割となる方には、外来の負担増加額を月3,000円までに抑える配慮措置を設けたところです。

この配慮措置は、2割負担が施行された令和4年10月1日から3年間設けられましたが、その経過措置期間がこの9月末をもって終了となります。

高額療養費を考慮しなければ、1割負担に3000円を負担すれば済むわけですが、10月からはそれがなくなってしまいます。そのために患者様の自己負担が増えてしまうことが懸念されます。

また、患者様の自己負担が増えることによる「未払い」の問題も浮上するかもしれません。

医療費負担増は社会的な問題で、情勢によっては経過措置期間の延長もあるかもしれませんが、事業所としても注意が必要ですし、配慮措置が終了となればステーションでお使いの請求ソフトも改修(バージョンアップ)を要することとなり、ステーション運営に何らかの影響を及ぼすことになります。

出典

まとめ

今回は、医療保険制度の運用を改定する内容として、高額療養費の見直しや配慮措置の終了予定について取り上げました。

どちらも国民の医療費負担が増えるという、極めてセンシティブな内容になっております。医療系サービスを提供する事業所だけでなく、医療機関にも派生する話です。国民全体の関心事といっても過言ではありません。

高額療養費の見直しは、段階的に実施するとのこと。後期2割負担者の配慮措置と似たような措置が講じられるかもしれません。

今後、診療報酬改定や介護報酬改定を待たずして、様々な変更が加えられる可能性が高まっています。

あすてるコラムでは、そのような重要な情報について定期的に発信し、介護サービス事業者様の運営に少しでもお役立てできればと考えております。

この「最新情報」は、もう少し続けてまいりますので、どうぞ次の投稿をご期待いただけますと幸いです。

ぜひ「あすてるコラム」から、最新情報をキャッチアップしていただけますとうれしいです。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。